能登櫻断髪式
平成二十七年五月二十四日午後六時、五月場所阿武松部屋千秋楽打ち上げパーティーに先だって、能登櫻の引退断髪式が、メイプルイン幕張二階の広間で行われた。
約百名の方々が着席される中、中央金屏風の前に設えられた椅子に能登櫻が着席し、大和富士の司会によって断髪式は開式した。
まず司会から能登櫻のプロフィールが以下のように紹介された。
能登櫻プロフィール
能登櫻和也(のとざくらかずや)、本名島和也(しまかずや)29歳。第6代横綱、初代阿武松緑之助の生誕地、石川県の能登町出身です。
相撲王国といわれる石川県では、小学校や町の行事などで相撲が身近かにあり、島少年も体が少し大きかったことから、能都中学校から本格的に相撲を始めました。
高校は金沢学院東高校に進み、相撲部で活躍。高校卒業の際、「相撲でどこまでやれるか試してみよう」と思い、プロ入りを決意し、昔から能登町と縁のあった阿武松部屋へ入門したのが、平成16年1月でした。
入門後は足の腓骨(ひこつ)骨折や、網膜剥離などの怪我はありましたが、平成16年九州場所で序二段優勝、平成25年名古屋場所では三段目優勝を致しました。また、相撲甚句の歌い手として、巡業や花相撲などで披露した甚句は定評がありました。
平成16年に入門以来、皆様に応援していただき、土俵を努めてまいりました能登櫻ですが、自己最高位を幕下23枚目として、本日断髪式をさせていただくことになりました。
プロフィール紹介に続き断髪の儀に移り、阿武松部屋名誉顧問習志野市長宮本泰介氏、阿武松部屋名誉顧問前習志野市長荒木勇氏、衆議院議員小林鷹之氏、東京後援会会長黒須弘道氏、千葉後援会副会長熊倉一夫氏、名古屋後援会顧問多地浩氏、町田後援会代表小山修氏、公益財団法人日本相撲連盟専務理事大野孝弘氏、能登櫻出身地能登町相撲連盟副会長志茂長一郎氏、故中山大三郎先生奥様中山三佐子様、その他多くの後援会、来賓、知人友人の方々が次々とハサミを入れてくださった。また阿武松部屋OBの元若駿河加藤善丈氏、元幕張の福本孝史氏、阿武松部屋関取阿武咲関、大道関、阿夢露関と進み、能登櫻の兄島一生氏、姉松田小百合様、母島登規子様、父島憲明氏がハサミを入れ、最後に阿武松親方が止めバサミを入れて、大銀杏を高々と掲げて断髪の儀は終了した。
続いて花束が贈呈され、最後に阿武松親方が挨拶に立ち、まず本日断髪式に参加いただいた多くの方々に感謝の意を表し、「能登櫻は怪我などいろいろ治療することが多く、皆様に心配やご協力を頂いたが、皆様のそうした暖かい御心は、必ず彼の胸に彫まれていると思う。引退した後もしっかりと心を磨き、頑張ってほしい。」とはなむけの言葉を贈り、断髪式は終了した。
阿武松親方のご挨拶