大瑠璃断髪式
一月場所阿武松部屋打ち上げパーティーに先だち、大瑠璃の断髪式が挙行された。大銀杏を結った大瑠璃が神妙な面持ちで設えられた椅子に腰を下ろすと、司会の大和富士より断髪式開式が宣言された。
まず大和富士より、以下のように大瑠璃のプロフィールが紹介された。
大瑠璃拓也プロフィール
大瑠璃拓也、本名斎藤拓也、栃木県塩谷郡塩谷町出身。
小学校では野球、中学校ではバスケットボール部でした。
相撲との出会いは、小学校四年生の時町の相撲大会に参加し、その大会で勝つことが出来、相撲が面白くなり町の道場に通うようになったことからでした。
中学時代もバスケットボール部に籍をおきながら、相撲の全国大会にも出場しており、栃木県黒羽高等学校に進学してから本格的に相撲を始めました。黒羽高校でインターハイや国体に出場するなどの成績を残し、専修大学に進みました。
専修大学で4年間、相撲に集中して取り組んでおりましたが、自分で納得の出来る成績が残せず、このままで相撲をやめることはできないと思い、大相撲の世界に入りましたのが平成16年3月でした。
番付を上げていく中で、肉離れなどの怪我は何回もありましたが、平成21年5月場所で自己最高位の幕下45枚目になったあと、22年の11月場所で右膝の前十字じん帯を断裂する怪我をし、復帰まで約1年を要しました。
明るく誠実な人柄の大瑠璃は、皆様にたくさんの応援をしていただきながら、今場所まで頑張ってまいりましたが、この度引退をさせていただくことになりました。
続いて断髪の儀に移り、まず始めに宮本習志野市長がハサミを入れ、ついで衆議院議員富田茂之氏、町田後援会代表小山修氏、大瑠璃の恩師日本相撲連盟専務理事大野孝弘氏、東京都相撲連盟副会長佐久間幸一氏、旭栄食品株式会社社長蒲田重勝氏、千葉後援会副会長熊倉一夫氏と続き、以下千葉後援会役員宮本博之氏はじめ同役員の方々、中日ドラゴンズヘッドコーチ森繁和氏、個性心理学研究所弦本将裕氏、女優白石まるみさん、落語家桂米助師匠、そして黒羽高校や専修大学時代の先輩・同級生・後輩、さらにお世話になった多くの方々が続いた。
部屋関係者では阿武松部屋OBで大瑠璃と同期の元益荒海黒澤幸太氏、大道関、若荒雄関、丹蔵、藤本、能登櫻がハサミを入れ、最後に家族である父斎藤隆氏、兄斎藤隆一氏、姉和田裕子さんと続き、親方が止めバサミを入れ、切り取られた大銀杏が高々と掲げられ、断髪の儀は終了した。
ここで花束贈呈。おかみさん、千葉後援会高山貴子さん、力士代表阿夢露、野川律子さんから、花束が贈呈された。
続いて親方挨拶。阿武松親方は大瑠璃の誠実な人柄によって、本日このように多くの方がお集まり下さり、断髪式に立ち会って下さった。新たな道においても、その誠実さを忘れずに頑張ってほしい。皆様方には今後とも斎藤をご支援の程宜しくお願いします、と述べて挨拶とした。
ここで大瑠璃は整髪のためいったん退席。
整髪を終え背広姿で再登場した斎藤氏は挨拶に立ち、相撲界に入り多くのことを学び、とりわけ親方の弟子となったことは生涯の宝であり、これまでおかみさんはじめ部屋の力士たち、そして後援会や関係者の皆様よりいただいた御恩に報いるためにも、今後新たな道でしっかりと精進していきたいと、力強く述べた。
続いて千葉後援会・九州後援会・大阪後援会・名古屋後援会・東京後援会、さらに蒲田重勝氏・元武双山藤島親方以下多くの方々からのご祝儀が、斎藤氏に手渡された。
また常に阿武松部屋を応援して下さっている落語家桂文福師匠からの祝電が、おかみさんより披露された。おかみさんはこみ上げてくる涙を必死にこらえながら、暖かい中にも力強い心のこもった電文を読み上げた。
最後にキッズ阿武松の吉岡桂祐君が、満面の笑顔で斎藤氏に花束を渡すと、会場から大きな歓声が沸き起こった。
こうして無事大瑠璃こと斎藤拓也氏の断髪式は終了した。斎藤氏十年間本当にご苦労さまでした。