天緑断髪式
去る平成二十四年九月二十三日午後六時半、天緑の断髪式が、九州場所千秋楽打ち上げパーティーに先立ち、メープルイン幕張において行われた。まずはじめに司会の大和富士から、天緑のプロフィールが紹介された。内容は以下の通り。
天緑のご紹介をさせていただきます。天緑一鉄(てんろくいってつ)、本名古賀貴大(たかひろ)、大阪府枚方市出身、26歳。
小さい頃から体が大きく、小学校5年生の時にプールに遊びに行っていて、枚方市相撲連盟の方から「相撲をやってみないか」と誘われたのが、相撲を始めるきっかけでした。小学校、中学校となかなか相撲で勝てずにおりましたが、南京都高校に進学してから成績が残せるようになり、高校2年生では京都府のインターハイ予選で個人優勝、3年の時には埼玉国体団体5位の成績をおさめました。
その後、大学進学かプロ入りかを迷いましたが、プロでやってみたいという気持ちが強くなり、平成17年3月に阿武松部屋に入門いたしました。
平成21年5月場所で序二段優勝したおりには、その優勝インタビューでの明るい受け答えが話題になりました。また平成23年7月場所では、自己最高位の幕下24枚目まで番付をあげました。
しかし1年前から、両親が故郷の福岡に戻って祖父の介護をする姿を見て、自分も介護の道を志したいと思い、本日引退をさせていただくことになりました。
天緑のプロフィール紹介に引き続き断髪の儀に移り、千葉後援会名誉顧問習志野市長宮本泰介氏、阿武松部屋名誉顧問前習志野市長荒木勇氏、千葉後援会長鈴木喜代秋氏、町田後援会代表小山修氏、財団法人日本相撲連盟専務理事大野孝弘氏、以下関係者・恩師・知人友人等が次々と大銀杏にハサミを入れ、阿武松部屋OBの元富士龍の大金氏、元幕張の福本氏、力士代表大道関・若荒雄関・丹蔵関・阿武山・藤本・天津と続き、天緑のご両親古賀正廣氏、同とも子様がハサミを入れて、いよいよ最後に阿武松親方がとめばさみを入れ、切られた大銀杏を高く掲げて断髪の儀は終了した。
引き続き、おかみさん、力士代表篠原、野川律子様より花束が贈呈された。
また本日ご列席できなかった、九州後援会長近藤勲氏、名古屋後援会長森下鉾二氏、東京後援会長黒須弘道氏、名古屋後援会奥村栄二氏、元若駿河加藤善丈氏からご祝儀が届けられた。
最後に阿武松親方が挨拶に立ち、これまで天緑をご支援いただいた皆様に、心からの謝意を述べ、天緑はそのやさしさが相撲界では時にマイナスに働くこともあったが、これからの介護の世界では不可欠な要素であり、これまでの相撲界で得たことを活かしながら頑張ってほしいと、はなむけの言葉を贈った。
このあと天緑は整髪のためいったん退座した。