平成二十四年五月場所
寺下 みごとに幕下優勝を果たす!
幕下東十六枚目で五月場所にのぞんだ寺下が、みごと七戦全勝で幕下優勝を果たした。場所前必ずしも万全の体調ではなかったが、それがかえって功を奏したのか、前に出る力、左右からの押っつけ等、相撲が見違えるほどに良くなり、強くなったなという印象である。来場所は同じく幕下の最上位に位置するであろう慶とともに、十両昇進を目指す場所と成る。その可能性ははなはだ高いであろう。
阿武松部屋五月場所打ち上げパーティー開催される
恒例の阿武松部屋五月場所打ち上げパーティーが、去る五月二十日千秋楽に、メイプルイン幕張において、東京後援会の主催で開催された。五月場所は部屋頭の若荒雄関が十勝五敗と好成績を上げ、また幕下三枚目の慶が四勝三敗と勝ち越し、幕下十六枚目の寺下が七戦全勝優勝、さらに幕下二十枚目の藤本も六勝一敗の好成績だったこともあり、多くの方々が会場に詰めかけた。
六時半東京後援会の溝口尚史氏の司会により開式が宣言され、まず始めに主催した東京後援会長黒須弘道氏が挨拶に立たれた。黒須氏は、昨年は相撲界全体が大変な時期で、東京後援会担当の五月の打ち上げパーティーができず、大変残念であったが、今年は立派に復活し、このように盛大に開催できたことは喜びに耐えないとし、各力士のいっそうの精進を促した。続いて来賓祝辞では、まず阿武松部屋顧問の宮本習志野市長が、今場所の阿武松勢の活躍を賞賛し、地元習志野市をあげて今後もしっかりと応援していきたいと述べた。次に名誉顧問で前習志野市長の荒木勇氏が、力士諸君の健闘をたたえ、特に若荒雄関は、解説者など引きで勝つことに注文を付ける人もいるが、幕内上位で通用し続けているのは、立派な技として身についているからではないかとし、今後も堂々ととり続けてほしいと述べた。
引き続き来賓の紹介があり、次いで親方が挨拶に立った。親方はまず五月場所三十七才にして初優勝を遂げた旭天鵬の快挙をとりあげ、横綱大関でなくとも、地道に努力を積み重ねていけば、チャンスは必ずやってくるのであって、将来わが部屋からも優勝者が出るように、師弟共に精進していきたいと述べ、五月場所においては幕下陣の慶・寺下・藤本が頑張った一方、関取陣が気迫に欠けていたと総括し、魂のこもった相撲が取れるよう、厳しく指導していきたいと抱負を述べた。
続いて東京後援会長黒須氏より親方・おかみさんはじめ全力士にご祝儀が贈呈され、また優勝した寺下に特別ご祝儀、そして勝ち越した各力士に勝ち越し賞が贈呈された。また千葉後援会長鈴木喜代秋からもご祝儀ならびに勝ち越し賞が贈呈された。また九州後援会長の近藤勲氏より寺下へ優勝のご祝儀が届けられ、司会より寺下に手渡された。
引き続き千葉後援会長鈴木氏の御発声で乾杯、氏は乾杯に先立ち今年中に確実に三名は関取が誕生すると思うので、その時にはまたご協力を賜りたいと、ユーモアを交えて会場の皆様にお願いをされた。
引き続き会食に移り、今場所の好成績が反映してか、あちこちで力士達と笑顔で歓談する光景が見られた。またこの日は地元のケーブルテレビ「JCN船橋習志野」が取材に来ており、親方へのインタビューや、打ち上げの模様を収録していた。
宴もたけなわというところで、阿武松部屋を応援してくださっている桂文福師匠の後輩で、漫才師・エンターテナー・自称相撲評論家の浮世亭とんぼさんが、軽妙な語りで会場を大いに盛り上げた。
引き続きビンゴゲーム。今回は、来賓で来られた前中日ドラゴンズヘッドコーチの森繁和氏が最近出版された「参謀」が、サイン入りでいただけるとあって、大いに盛り上がった。またビンゴゲームに引き続き、スイス製の高級ボールペンが、親方とのジャンケンゲームによって最後の勝利者に手渡された。
大いに盛り上がった打ち上げパーティーもいよいよお開き、最後に東京後援会副会長の三谷直司氏の音頭により三本締めにて幕を閉じた。