書き初め大会
恒例の新春書き初め大会が一月五日阿武松部屋において行われた。この日は多くの方々が相撲見学に訪れ、そのまま書き初め大会にも参加され賑やかに行われた。
まず親方が筆を振るい「魂の相撲」と書いた。これは常々稽古場で弟子達に語っている言葉で、親方の信念でもある。続いて不知火親方が「勉強」と書いた。昨年は新米親方としていろいろ苦労を重ねた。今年はいろいろな面で、とにかく一から勉強の年となるという覚悟であろう。阿夢露関は「金星」と書いた。心身共に絶好調の今年、初金星はけっして夢ではない。阿武咲関は「挑戦者」と書いた。崖っぷちに立たされた今、守りに入るのではなく、あくまで挑戦者であるとの気持ちで本場所に臨む覚悟であろう。その他の力士の書き初めは「力士近況」にて紹介したので参照されたい。床雄は「粋」と書いたが、これは「いき」と読むのか「すい」と読むのか。おそらく後者の「すぐれたもの」という意であろう。
おかみさんは「ありがとう」と書いた。部屋を応援して下さる方々に対する感謝の気持ちとともに、昨年暮れに亡くなられた母親に対する、心からの気持ちを綴ったものと思う。三月入門予定の千田英紀君は「感謝」と書いた。新たな世界に進むこの年、これまで育ててくれた両親や恩師等すべての方々に対する気持ちであろう。
その他白石まるみさん、守永真彩さん親子は実に堂々とした筆づかいで、それぞれ「お志事」「伝夢生命」と書いた。真彩(まあや)さんは今歌やグラビアで頑張っているが、そうした仕事で夢を伝えたいという気持ちを筆に託したのであろう。まるみさんの「お志事」は、志ざしを持った仕事をという、自らの信念であるとともに、娘にもそうあれと激励する気持ちで書いたものと思う。ユーサミイさんは「雄五十」と書いた。どうやら今年五十歳ということで、心機一転雄々しくはばたくとの意のようだ。
その他見学に来られた方々が、今年にかける思いをそれぞれ筆に託し披露した。
書き初めが終わると、その場はそのままミニコンサート会場に変身。真彩さんはいきなりのコールだったにもかかわらず、絢香(あやか)さんの歌を伴奏なしで高らかに歌い上げた。この歌には題名がないそうで、絢香さんがストリートシンガーだった頃に伴奏なしで歌っていた曲とのこと。迫力のある歌声に皆が聞きいっていた。ユーサミイさんにもリクエストがあり、まずは冒頭おきまりの「ふるさと」を歌い、続けて代表曲『Ⅰbelieve』(アイビリーヴ)を熱唱。親方や力士達も大好きな曲のようで、ともに口ずさんでいた。
その後白石まるみさんと真彩さんのデュエットなども披露され、正月らしい華やかなミニコンサートが書き初め大会は大いに盛り上がった。