平成二十六年五月場所 阿武松部屋打ち上げパーティー開催される
さる平成二十六年五月二十五日六時、JR幕張本郷駅近くのメイプルイン幕張において、阿武松部屋五月場所千秋楽打ち上げパーティーが開催された。
今回は東京後援会の主催で行われ、初めての座席でのパーティーとなった。アルパ奏者Kayoさんの奏でる美しい音色に誘われるように、次々と席はうまっていく。アルパとは南米パラグアイの民族楽器で、ハープを少し小さくしたような楽器だが、日本の歌にもよく合う。「浜辺のうた」「ふるさと」などのなつかしい唱歌が会場をやさしく包む。
司会は東京後援会の溝口尚史氏。いつもの軽妙な語り口で開会が宣言され、続いてまず初めに主催した東京後援会会長黒須弘道氏が挨拶に立った。黒須氏はまず力士達を激励するために集まって下さった皆さん、特に地元千葉後援会の方々の応援に感謝の意を表された。また来場所六年間関取の座を守ってきた若荒雄関が幕下に陥落することにふれ、必ず一場所で関取に復帰するよう奮起を促した。また十両で勝ち越した阿夢露関、幕下で六勝一敗の好成績を残した慶天海、同じく勝ち越した蘇など、大ケガでどん底に落ちてから、力強く復帰しているのは、本人はもとより、応援する者にとっても実にうれしいことであると賞賛し、挨拶とした。
次に阿武松親方が挨拶に立ち、まず若荒雄関に対し、来場所は相撲人生をかけて、後輩達に手本を示すような、必死の姿を見せて関取復帰を目指すことを期待すると述べ、また幕下では壁にぶつかっている者、大きく勝ち越して勢いのある者、勝負の世界である以上明暗はつきものであるが、双方けっして自分を失うことなく、しっかり精進してほしいと述べた。最後に「今場所限りで引退する丹蔵に対し、これまで支援して下さった多くの方々に、心から感謝いたします。」と述べて挨拶とした。
ここで来賓の挨拶。まず阿武松部屋後援会顧問習志野市長宮本泰介氏が挨拶に立ち、「十五日間ともあれ本当にご苦労さまでした。」と全力士の労をねぎらうとともに、成績の良かった力士にはさらなる精進を、不本意な成績の力士には大いなる奮起を期待したいと述べ、ご参集の皆様に変わらぬご支援をお願いして挨拶とした。
次に阿武松部屋後援会名誉顧問前習志野市長荒木勇氏は、「今場所は満員御礼も多く、相撲人気が回復してきたように思う。阿武松部屋もこの上昇気流に乗り遅れないよう、しっかりを精進してほしい。」と述べた。
引き続き来賓紹介に移り、個性心理学研究所所長弦本将裕氏、女優白石まるみさん、阿武松部屋町田後援会代表小山修氏、東京都相撲連盟副会長板倉利和氏、鳥取かに吉店主・相撲道場監督山田達也氏、青森県中泊道場監督小山内誠氏、専修大学相撲部監督蒲田重勝氏、船橋市相撲連盟理事長深澤英治氏が紹介された。
続いて成績発表並びにご祝儀贈呈。東京後援会黒須会長、千葉後援会熊倉副会長より、親方・おかみさんはじめ各力士、そして床雄にご祝儀が贈呈され、勝ち越した力士には勝ち越し賞も贈呈された。
ここで習志野市議会議員宮本博之氏の御発声で乾杯、会食に入った。今場所は関取陣が阿夢露関が八勝七敗と勝ち越したものの、大道関が三勝十二敗と大きく負け越し、若荒雄関も五勝十敗と負け越して十両陥落が確実となっただけに、会場のあちこちで厳しくもまた暖かく、激励する姿が見られた。また幕下上位陣は、大和富士が壁に跳ね返された形であるが、阿武咲・慶天海が大きく勝ち越して、来場所いよいよ十両を狙える位置に上がる。彼らをはじめ好成績であった幕下力士達の頑張りを讃える光景があちこちに見られた。
宴もたけなわというところで、NHKの厚井(こうい)大樹アナウンサーが登場。厚井氏は千葉市出身在住、千葉放送局に勤め、相撲放送でお馴染みである。親方に挨拶をと促され、引退する丹蔵の人柄に引きつけられたことなど、取材インタビューを通して感じたことを披露し、さすがアナウンサーだけあって、ユーモアを交えテンポ良く語った。
余興では、恒例となった株式会社モントレックス様より提供される、高級女性用腕時計争奪ジャンケン大会は、大道関に勝ち続けた町田後援会の神崎勇氏がゲットした。
その後ビンゴゲームは天津の司会で進められ、老若男女に次々と景品が配られた。
最後に東京後援会顧問の西本氏が中締めの挨拶に立ち、部屋の草創期に東京後援会主催の打ち上げは阿武松部屋で行われ、焼きそばや焼き鳥の屋台を出して、近隣の方々にも振る舞われた懐かしい思い出を語り、また親方が相撲協会の委員に復帰したことを報告し、阿武松部屋へのさらなるご支援をお願いし、三本締めをもって打ち上げパーティーは終了した。